離鐘の音


 

波止場の片隅(ふち)に腰かけて 一人待ってる

船で遠くへ行っちまった 人を待ってる

夜明けの海で行きかう 船を見てる

引いてはよせる潮騒の ブルースを聞いてる

 

かもめが潮時だよと かすかに笑って

さみしい日々 俺らの肩をかすめていった

 

さよならは零時の離鐘(ドラ)の響きの中だった

いつかの熱いぬくもりの さめる前だった

別れのテープが鮮やかに波間にちぎれてく

愛の行方もうたかたの霧笛に消えてく

 

すすり鳴く離鐘(ドラ)の音が今も響いて

別れの日々 俺らの肩をかすめていった

 

後姿ふりきった時 涙がこぼれた

だからきっとあの人は恋人だった

 

波止場の片隅(ふち)に腰かけて 一人待ってる

船で遠くへ行っちまった 人を待ってる

 


 

Single Cut

1980.12.21 地下室のメロディー/離鐘の音

作詞:甲斐よしひろ

作曲:甲斐よしひろ

編曲:星勝